現在わが家には620フィルムを使用するカメラがいくつかあるのですが、620フィルムは現在生産・販売とも終了していて、入手することができません。
120フィルムと規格が似ているので、カメラの構造によっては使い回すことが可能…という話を見かけたこともありますが(実際兼用のモデルもありますが)、フランジを納める場所がきっちり620サイズに作ってある場合、そもそも
120のスプールは入らない。
フィルムの製造は1995年が最後とのことですから、新品のフィルムはもう手に入る見込みはありません。
ならばスプールを手に入れて、120のフィルムを巻き替えようじゃないか。
そんなわけで、あくまでスプール狙いでデッドストックの620フィルムを入手しました。
アメリカのREXALL DRUG COMPANYというところが発売していたらしいこのフィルム、開けられた形跡もなく、外箱にも汚れや擦れはあるものの、傷みはほとんどありません。
開封して中のフィルムを見ても、特に状態が悪いようには見えません。
ひょっとして写っちゃうんじゃないの?
有効期限は'64のDEC(12月)、だいたい50年前に製造されたものです。
果たして、50年前のフィルムは現在でも使用に耐えるのか?
無謀と知りつつ、試写してみることにしました。
附属の説明書によると、DaylightのASAは80とあります。
晴れた屋外で無限遠を狙います。
薬剤の劣化によるのでしょうか、全体にかぶったような状態ですが思っていたよりちゃんと写っていました。
現像の終わったフィルム自体はかなり真っ黒で、スキャナでの読み込みでコマ認識はできませんでした。
(この項続きます)